クリーニング店の仕上げについての豆知識。
1.クリーニング店の仕上げ
クリーニング店では、品物に合わせて仕上げを行っています。例えば、ワイシャツでは専用のプレス機があり、仕上げを行っています。ジャケットの仕上げでは人体型の仕上げ機や専用のアイロン台を用いて襟や肩回りなどの細かい部分にアイロンをかけ、立体的に仕上げを行っています。
また、品物の素材にもよりますが、ハリ感を持たせるために「糊剤」という薬剤を使用し仕上げを行うクリーニング店もあります。主にワイシャツに使用されています。
品物を洗い、濯ぎが終了したタイミングで品物に糊剤を付着させた状態にします。その後脱水を行い、品物を取り出しアイロンやプレス機を使用し仕上げを行っています。そういった技術がクリーニング店には備わっています。
2.糊剤の種類について
糊剤には3つの種類があります。
①合成糊
合成糊はどのような素材の品物にも適しており、汚れやシワを防ぐという特徴があります。アイロンの熱で焦げが起きにくく扱いやすさが一番のメリットです。
②半合成糊
自然由来の成分と化学成分どちらも使用して作られているのが半合成糊です。汚れの付きにくさは合成糊の特徴としてあり、自然由来成分からは糊の落ち易さという特徴を併せ持っています。
③天然糊
天然由来の成分で構成されている糊剤です。主にデンプンを主成分としておりますが、他にはコーンスターチ、タピオカなどで構成されているものもあります。
天然糊はデンプンが主成分のものが多く、糊付けのまま放置すると腐食や虫食いのリスクがあるというデメリットがあります。しかし、天然糊の洗い落としは容易で繰り返し糊剤で加工しても、硬くなりにくいというメリットがあります。
また、天然由来の成分であるため肌への影響が少なく、小さなお子様でも安心して使用することができます。
3.糊付けのメリット・デメリット
メリット
・シワが伸びる
・型崩れしにくくなる
・汚れが付きにくくなる
・品物にハリ感を付与することがきる
特に糊剤のメリットとしては、型崩れしにくくなるというものが一番の効果だと思います。程よい硬さに仕上がり、品物全体にハリ感を出すことができ美しい仕上がりになります。
デメリット
・糊剤が落ちにくい
・糊剤の影響で襟が硬くなり肌触りが悪くなる
糊が落ちにくいというデメリットから、ワイシャツの襟に糊が蓄積してしまい硬くなりすぎてしまうという問題が発生する場合があります。しかし、近年の糊剤は落ち易い製品が開発されており、発生事例は減少傾向であります。